tanegaabunai

『タネが危ない』

『タネが危ない』(日本経済新聞出版社)
いや~~~~
すごいの読んでしまったって言うのが
読み終わった直後の感想。

今、八百屋やスーパーに並んでる野菜のほとんどが
種子を残せない品種がほとんどだって、知ってました?

そして、そんな野菜を食べてるわたしたち人間も
子孫を残せない状態になってるんですよう・・・
種苗業界、恐ろしい!!

著者の野口勲さんの経営されている野口種苗さんでは、
ちゃんと種を残す固定種の種を扱っておられますのです。
「個人個人の家庭菜園で、固定種の種を残して行くようにしないと」とおしゃってました。
(あ。ついつい、読んだ感動の勢いで講演会まで行ってしまいましたんです、私^^;)

で、この野口さん。
なんと、若かりし時のお仕事は
あの手塚治先生の『火の鳥』の担当編集者(たしか、初代だった気が・・・)さんなのですよ!

だから、本の中でも
いかに、手塚先生が、そういう種のコトとかを見据えて漫画をい描いていたかというコトも
書かれているわけですよ。

もう、
「ひゃ~~~!ひゃ~~~!」しか、声出ませんでした。
手塚先生の未来を見る目がすごすぎて。
今、こんなの描ける人、漫画業界にいてるんだろうか???
(最近、漫画を読んでないので、いはるかも・・・^^;)

話は『タネが危ない』に戻りまして・・・
読み進めるうちに
ちゃんとした種が残せないF1(一代雑種)というものの作り方のページになりました。

つぼみの時に、つぼみを無理やり人工的に開き
おしべをとって、めしべだけにして
別のところから持ってきた花粉を付ける・・・っぽいコトが書いてある。

ん?
んんん~~~???!!!
私、これ、やったコトある。

高校の時にバイトしてた、某タ●イさんの農場で!!
(タ●イさんは大手種苗会社さんです)

って、コトは、私は知らず知らずのうちに
F1種を作ってたってコト???

大大大ショック・・・

バイトなので、作業の「方法」しか説明されないわけですよ。
で、おこづかい欲しい高校生なので、
なんで、そんなコトをするのか、特に聞くわけでもないんですよ。
言われたとおりのコトを、バイト時間内でやるだけ。
なので、自分のやってるコトがどういうコトだったのかなんて知らず
20年ほどたった今頃知ってしまったわけですよ~~~

疑問を持たないって
知らないって
なんて、怖いんだろう・・・って
今更ながらに思ってしまいましたです。

そうそう。
先日行って来た、トカラ列島の小宝島では
島のおばあちゃんが、ほとんどすべて、固定種の種を取り続けておられました。

麦、大根、人参、カボチャ、キャベツ、島らっきょう、島ニンニク(臭くないのです)、島きゅうり(超ジャンボ!)などなど。

「この間知り合った中之島の人が、島きゅうりの種欲しいって言ってたからあげたのよ~」と
麦をゴザに叩きつけながら(=手作業の脱穀)話してくれました。

小宝島は、トカラ列島の中でも、
着岸がなかなか難しい島。
島内に売店は1軒もない。
そもそも、週2便のフェリーが欠航になってしまったら何もモノが入って来ない。

交通的には不便極まりない島だけど
不便なトコロだからこそ
人に必要なものが、ちゃんとなくならずに残っているんだろうな~と、
おばあちゃんの麦作業を、見ながら思いましたです。

なくしちゃいけないものを便利さと交換になくしちゃいかんですね。