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京都のはずれの大根炊き

年明けから
今年はじめの日記はコレにしようと
ずっと思っていたのだけれど
結局
「はじめ」でもなければ
「年明け」でもなくなってしまい・・・

ほな
「年度はじめ」というコトで
書き書きしようと思った次第でございます~。
(やや、長うございます・・・)

昨年末
奈良に行った時
通りに、こんな看板がありました。

 

 

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京都の冬のお寺さんの行事のひとつ『大根炊き』
無病息災を願うもの。

ずっと気になってた行事のひとつだけど、
1度も行った事がないので
こりゃ、行ってみるべ・・・と。

このチラシのお寺さんは海住山寺という
奈良と京都の県境の町にある山寺。

これが、また、最寄駅からのアクセスあんまりよろしくない。
バスが1日数本。

バスを待つより歩いた方が早そうなので、歩くことに。
片道40分ほどなので、近いわ~と思ってたけれど
山に差し掛かってからが・・・・しんどい!!!
坂が超急!
冬なのに、汗だくだく・・・(汗

ラストに、急な階段を上ってやっとこさ着いた海住山寺。
京都の寺やし、1年に1回の行事だし、けっこう混んでるのかと思いきや
市内からえらくはすれてるので
全然人がいない!
麓の檀家さんがちらほらいるぐらい。

で、
「大根炊き」って、タダで大根頂けるのかと思ったら
護摩炊きとセット販売の模様で
¥1500ほど収めてご祈祷してもろた後
祈祷場所の脇のテーブルで大根を頂く。

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田舎の集会所にあるような
長机に座布団。
お手伝いの檀家のおばちゃんが3人。
客は、私と、
これからご祈祷をしてもらおうとしている
寺のマイクロバスで来た麓の檀家のおばあちゃん’S。

・・・いい!!!!

このまったりしてて、
観光客がいなくて
地元のおばあちゃん’Sがいる風景。

超、松鳥好み♪

でかくて、ほくほくした大根を
上にかけてある甘いお味噌にからめて
ふ~ふ~さましながら食べる。

熱燗まであって
「おかわりしてね」と言われたので
遠慮なくおかわりして
身体の中が、さらにほくほく♪

ちなみに、酒は
やかんの中に入ってる

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なんか、豪快!
(が、後日、新潟の漁師さんとこで酒をよばれた際も、同じようにやかんに入ってた。
寄り合いっぽいトコロでは、そういう形が多いんだろうか?
うちの田舎では、そうでなかった気がするけれども・・・)

「ひとり旅?いいわね~♪
結婚すると、自分の時間なんてあらへんわ~
自分がなくなるわ~」
お手伝いのおばちゃんが、ケラケラ笑いながら話してくれる。

そろそろ下山するべと
再びてくてく山道(と、言ってもアスファルトになっているのだけれど)を歩いていると
す~っと、車が横に止まった。
お寺さんのマイクロバスだ。

「どこまで歩くん?」
運転手のおっちゃん・・・というよりかは、おじいちゃんが声をかけてくれる。

「駅まで」
「ほな、麓まで乗ってくか~?」
「わ~♪ありがとうございます!」

マイクロバスにお邪魔すると
檀家のおばあちゃん’Sが4人乗っていた。

おばあちゃん好きな松鳥には、天国のような相乗り♪
「どっから来たん?」
「ひとりで来たん?」
「うちら、この麓に住んでるんやわ~」
わいわいわいわいと
しわくちゃな笑顔で話しかけてくれるおばあちゃん’S♪

ああ~、しあわせ♪

すると、運転手のおじいちゃんがみんなに聞いた。
「な~。ちょっと遠回りにやけど、駅回ってから(麓に戻る)でもええか~?」

「ええで、ええで~」
「駅まで送ったげよう~」
「駅まで、みんなでドライブや!ドライブしようや~!」

おばあちゃん’Sが、いっせいに盛り上がる。

駅まで乗せてもらえるのも、すごく嬉しいのだけれど
それにもまして、
おばあちゃん’Sが「遠回り」を「ドライブや~」と言って
みんなが活き活きとした表情になった瞬間、
なんか、自分の中にぶわってくるもんがあった。
うまく説明できないけど・・・

駅に着き、マイクロバスを降りるとき
おばあちゃん’Sが
しわくちゃの顔を一層しわくちゃにして
そして、しわくちゃの手を振りながら言ってくれはった言葉

「生きてるうちには、もう、会われへんかもしれんけど
こんな、ばば達がいたのを、忘れんといてな~」

これが、ずっとずっと、頭から離れない。

おばあちゃんたちは、良い意味で未来に何も期待してないんだな~って思う。
残り少ない時間を、未来じゃなく、今現在を楽しむコトをしているから
「遠回り」を「ドライブ」という楽しみにしちゃえるし
会う人会う人、すべてに「一期一会」だと思って過ごしてはるんだろうな~と。

私も、自分がおばあちゃんになった時、
孫ぐらいの子たちに、こんな風に言えるおばあちゃんになれるといいな~。

と、言いながら、すぐにぐちぐち言っちゃってるので
おばあちゃん’Sの域には、まだまだ、程遠いけれども・・・(^^;)